知床旅情
思い出しておくれ 俺たちのことを
飲んで騒いで 丘にのぼれば
遥(はる)か国後(くなしり)に 白夜(びゃくや)は明ける
浜に出てみれば 月は照る波の上(え)
君を今宵こそ 抱きしめんと
岩かげに寄れば ピリカが笑う
君は出て行く 峠を越えて
忘れちゃいやだよ 気まぐれカラスさん
私を泣かすな 白いかもめよ」
せっかくなのでレパートリーになるくらい歌い込もうと思い、歌詞を見ていたら解らない言葉がありました。「ピリカ」って何者でしょう?人の恋路を隠れ見て、あまつさえ笑うとはふてぇ奴です。こいつの正体を暴いてやろうと、調べてみました。しかし、こいつの正体はいろいろな説があるそうで、どこまでいっても謎な奴でした。
「ピリカ」とはアイヌ語で、美しい、良い、立派等の意味があるらしいのですが、それでは後の歌詞に繋がりません。その他、知床に生息する「エトピリカ」という、人が笑っているような声で泣く鳥の事ではないかとか、アイヌ語で「ピリカ」と呼ばれるホッケの事ではないかとか…。ホッケに笑われるなんて…何か屈辱的ですね。
うーん…今のところエトピリカという鳥が一番歌詞にはあってます。しかし、作詞作曲をした森重久弥さんが言うには、「美しい娘」の意味だと言うことです。アイヌ語の「ピリカ」には「娘」という意味は含まれないのですが、ロシア語で男性からのプロポーズの言葉である、「ピリダ ラジェーニィエ」を簡略化した意味のka(カ)を語尾につけると、アイヌ語の「ピリカ」になるそうで。女性にかける言葉にもなるのかも知れません。そう考えれば、「ピリカ」というのを既にあった言葉として捕らえるよりも、ある種の造語として捕らえ、森重久弥さんの言うとおり、「美しい娘」と言う意味で考えた方が、意味も通るし、歌詞的にも綺麗ですし、僕好みです。
つまり、抱きしめようとして岩陰に寄ったら、その抱きしめようとした美しい女性にその行動を見抜かれ、くすくすと微笑まれる…といった歌詞になるのでしょうか。「君」とは、この歌詞の主人公と同い年くらいの若い娘を想像していたのですが、調べていく内に、随分大人びた女性になってしまいました。あ、って事はやっぱり高校生と添乗員さんの恋!?
まぁ、「ピリカ」の意味をどのように捕らえて歌うかは、人それぞれでいいのでしょう。僕は上記の様に思って歌うことにします。